栄養課の理念
病院の理念と基本方針に基づき、医師の指示のもとに安全で安心な食事の提供をスタッフ一丸となり、患者様の栄養管理に取り組んでいます。
お食事について
食事の時間は下記のとおりです。
食事の種類
▶一般食
常食、軟食、分粥食、流動食、ソフト食、低残渣
▶特別食
エネルギーナトリウムコントロール食、低脂肪食、易消化食、蛋白コントロール食
栄養指導のご案内
私達の指導は「こうしてください。調味料は○gにしてください」ではありません。検査値に基づいた指導をもとに、患者さまの“食に対する思いや願い”をまずお聞きしながら、食事療法を必要とされている方に対し、食生活問題を解決するための工夫や相談も合わせて個別指導を行っています。がんの方や低栄養状態にある方に対する個別指導も行っています。
また、糖尿病教育入院の方を対象に月1回(第2水曜日 14時~15時)栄養指導を行っています。
コミュニケーションを取りながら患者様の食生活を知ること、私たち栄養士としての思いを知っていただくことから始まると思っています。健康的な食生活が送れますよう私たちと一緒に気付きながら、話し合っていきましょう
予約制となっておりますが、お急ぎの場合もすぐに対応いたしますのでご不安なことはいつでもご相談ください。
行事食
年間を通して季節のメニューを入れながら、患者様に喜んでいただける心のこもった行事食を提供しています。
▶年間行事食
日 程 |
行事名称 |
内 容 |
1月 |
1日 |
元日 |
朝:お雑煮 昼:おせち料理 |
2日 |
正月 |
ちらし寿司 |
7日 |
七草 |
七草がゆ |
15日 |
小正月 |
赤飯 |
鏡開き |
ぜんざい |
2月 |
3日 |
節分 |
節分ボーロ |
11日 |
建国記念日 |
赤飯 |
14日 |
バレンタイン |
ハート形チョコプリン or ココアムース |
23日 |
天皇誕生日 |
ちらし寿司 |
3月 |
3日 |
ひな祭り |
ちらし寿司、ひなあられ |
4月 |
日未定 |
豆ごはん |
29日 |
昭和の日 |
ちらし寿司 |
5月 |
5日 |
こどもの日 |
鯉ボーロ |
6月 |
日未定 |
紫陽花弁当 紫陽花ゼリー |
7月 |
7日 |
七夕 |
七夕ソーメン・デザート |
土用の丑 |
うなぎ |
8月 |
お盆 |
ちらし寿司 |
9月 |
第3月曜 |
敬老の日 |
赤飯 |
十五夜 |
お月見団子 |
10月 |
日未定 |
きのこごはんなど秋の味覚 |
31日 |
ハロウィン |
南瓜料理 |
11月 |
23日 |
勤労感謝の日 |
ちらし寿司 |
12月 |
24 or 25 |
クリスマス |
ケーキ |
21日 |
冬至 |
南瓜料理 |
31日 |
年末 |
年越しそば |
▶行事食一覧
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宮崎県 郷土料理
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【今年は癸卯(みずのとう)】
「癸」は生命の終わりと始まりを、「卯」は春の訪れを意味することから、“これまでの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍する年”になると考えられています。目標を見つけ、うさぎのようにピョーンと飛躍する1年にしたいですね。
【当院の調理ポイント】
長寿を願う「海老の甘辛煮」と、今年の干支のうさぎを型取った「さつま芋の甘露煮」がメイン料理です。
【栄養】
もち麩:小麦粉のグルテンが原料で、植物性たんぱく質が豊富です。
【当院の調理ポイント】
当院では餅の代わりに「もち麩」を使用しています。もち麩はモチモチとした食感をしており、餅と比べて喉に詰まらせるリスクが低いです。
高齢者の方の餅の代用品としてもち麩を使ってみるのはいかがでしょうか。
【栄養】
春の七草には「約12種類の薬膳効果」と「約7種のビタミン・ミネラル」が含まれています。
1月7日に新年の無病息災を願って食べるものです。
【当院の調理ポイント】
当院では「白だしと塩のあっさりした七草粥」をお出ししました。中華風(中華顆粒だし)、洋風(コンソメ)でも美味しくできますよ。
皆さんもお正月のご馳走で疲れた胃を休ませるために、七草粥を食べてみませんか。
【栄養】
年神様にお供えしていた「鏡もち」を食べ、新年の無病息災を願う行事です。
当院では「もち米」を原料とした「白玉団子」を使用し、ぜんざいをお出ししました。
【当院の調理ポイント】
「もち米」と「白米」、炊飯前ではカロリーの差はほぼないのですが、炊飯後では白米に比べて水を吸収しない「もち米の方がカロリー1.4倍高い」ので、食べ過ぎには注意しましょう。ちなみに、角餅100g(市販2個)で、ご飯1杯分(150g)と同じカロリーです。
【お献立】
ちらし寿司 / 鰯つくねあんかけ / けんちん汁 / 節分ボーロ(きなこ)
【節分いわし(鰯)】
節分は立春の前日で、旧暦の大晦日にあたります。季節の変わり目には 鬼がやって来る と言われ、「鬼が苦手な臭いのある鰯」は昔から食べられていました。いわしは“魚+弱い”と書くため、「体の陰の気を消す」と言われています。
【当院の調理ポイントと栄養】
旬の鰯のすり身・玉葱・豆腐に「青魚臭を抑える生姜や味噌」を混ぜてつくねを作り、丸い形にした大根おろしを添え、盛り付けを華やかにしてお出ししました。鰯は良質な魚油のDHA・EPAを豊富に含んでいます。
【当院の調理ポイント】
バレンタインデザートに、チョコレートババロアを手作りしました。ハート型にした旬の苺を添えてお出ししました。
【栄養】
チョコレートの原料となるカカオの苦味成分「テオブロミン」は集中力などを高めてやる気を導く働きがあり、抗酸化物質「ポリフェノール」は老化防止効果などが期待できます。
ただしチョコレート製品には、砂糖や乳製品を多く使ったものがあり健康リスクにつながる恐れがあるため、食べ過ぎには注意してチョコレートを楽しみましょう。
【ひなあられ】
それぞれの色には意味があり、「赤」桃の花・「白」雪の大地・「緑」草木のイメージといわれ、「その三つのエネルギーを取り入れ、健やかに育ちますように」との願いが込められています。
【海老のつみれ汁 -当院の調理ポイント-】
縁起が良いとされる海老でつみれ団子を作り、汁物にしてお出ししました。つみれ団子は「鮮やかな赤色」と「プリプリ食感」をだすため、水分が少ない「ヨリエビ」と片栗粉・生姜のみで作りました。
【毎月1日は小豆の日】
かつて「1日は新月、15日は満月」になることを祝ってお赤飯を炊く習慣があったことが由来し、「栄養豊富な小豆を食べて健康になってもらえたら」と、小豆商品を販売している井村屋グループ㈱が定めた記念日です。
【当院の調理のポイント】
鰤の照り焼きの付け合わせは、宮崎特産(生産量全国2位)ズッキーニをソテーにしました。ズッキーニはカリウムを多く含み、野菜の中でもトップクラスの含有量となっています。
【栄養】
筍を茹でて切ると、中に「白い粉のようなもの」がついていますが、これは「チロシン」という成分が結晶化したものです。この「チロシン」は “やる気を高める成分” として注目されています。他にも筍には食物繊維や亜鉛など、体に良い成分がたくさん含まれています。
【当院の調理のポイント】
「初物の筍」を使っています。鯛の切り身と一緒に炊くことで、だしの旨味もしっかりとしたご飯になります。木の芽を添えて、彩りと香りもお楽しみいただきました。
【栄養】
〈グリンピース:Green peas:マメ科エンドウ属〉
エンドウは収穫時期(成長過程)と食べる部位によって名称が変わります。
豆苗(エンドウの若い葉と茎)→絹さや(未成熟なサヤ)→グリンピース(未成熟の豆)→エンドウ豆(完熟の豆)
【当院の調理ポイント】
当院では「生のグリンピース」を使用しています。豆と米・水・塩を一緒に炊飯する事で、色は変わりますが旨味を活かすことができます。
グリンピースは「ビタミンB1」を多く含み、糖質の代謝に関わります。白飯(糖質)+グリンピース(VB1)=豆ご飯は、糖質を効率的にエネルギーに換える、春の訪れを感じさせる混ぜご飯です。
【当院の調理ポイント】
初めて「飾りいなり寿司」に挑戦しました。いなり寿司は一般的に「関西は三角型・関東は俵型」だそうです。
梅雨は「梅の熟す時期の雨」という意味もあるようで、じめじめした時期に気分が晴れるように、さっぱりとした梅のいなり寿司と、「バタフライピー」という植物のハーブティーを使ったゼリーで、水羊羹の上に紫陽花を表現しました。
【栄養】
梅はクエン酸が含まれ、疲労回復の効果があります。バタフライピーはポリフェノールの一種アントシアニンが含まれ、青い色のハーブティーにレモン果汁を入れると化学反応で紫色に色が変わります。
【栄養と当院の調理ポイント】
昔から「七夕にはそうめんを食べる風習」があります。そうめん二束(100g 343kcal)は白ご飯どんぶり1杯分と同じ位のカロリーで炭水化物がメインのため、薬味とそうめんだけを食べると栄養バランスがよくないため注意が必要です。当院では栄養がバランスよくなるように、そうめん一束と一緒に たんぱく質(鶏肉、卵)・ビタミンミネラル類(南瓜、茄子、トマト、キュウリなど)を沢山摂れるようにした、夏バテから体を守ってくれるお献立にしました。
【当院の調理ポイント】
災害時の備蓄食品として普段使いの乾物「宮崎県産千切り大根」をちらし寿司に混ぜて、ローリングストックを実践しました。日常災害時ともに不足しがちな食物繊維も美味しく摂れるアレンジ寿司です。
鰻蒲焼はたれを塗って焼き、艶を出しました。酢飯の酸味との相性も良く食欲をそそります。大葉と刻み海苔を添えて、彩りと香りをアップしました。
【栄養】
鰻は「ビタミンA群B群」が豊富に含まれており、疲労回復や食欲増進の効果で夏バテ予防の食品です。
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といい、これを略してお盆と言われるようになったそうです。
【当院の調理ポイント】
天ぷらの衣を具材にまとわせるように揚げる技法により「花を咲かせて」、見た目が華やかで当たりの軽い仕上がりにしました。
【栄養】
天ぷらの具材:椎茸(写真中央)は、生産量全国3位である地元宮﨑県産を使用しました。
椎茸には「エリタデニン」という椎茸特有の栄養素が含まれており、血液サラサラ効果があるとされています。
【いとこ煮の由来】
煮えにくい材料を追い追い煮ることより「おいおい煮る」→「甥甥煮る」
色んな材料を銘々煮ることより「銘々煮る」→「姪姪煮る」
これらの「甥」と「姪」から「従妹」に繋がり「いとこ煮」と呼ばれる
【冬至の風習:南瓜を食べる】
南瓜(かぼちゃ・なんきん)などの「ん」がつく食べ物を食べる事で「運」を呼び込むとされ、小豆などの赤色は、古来特別な力があると言われ「魔除け・厄除けの色」とされていた。南瓜と小豆の両方を食べる事で、「運気を上げ・厄を寄せ付けない」
【栄養】
鶏もも肉にはビタミン・ミネラルが豊富に含まれており、中でも骨を丈夫にする手助けをしてくれる「ビタミンK」、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーを促す作用のある「ビタミンB6」が含まれる。
【当院の調理のポイント】
クリスマスのローストチキン風に照り焼きチキンを作りました。鶏肉が柔らかくなるように調味液に「マーマレード」を入れています。果物や砂糖にはお肉を柔らかくする効果があります。