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理事長挨拶



思い出の味・・・
理事長 八尋 克三
八尋理事長
思い出の味・・・カステラ、羊羹、最中、バナナ

今回は理事長雑感に思い出の味と題してカステラ、羊羹、最中、バナナについて書いてみた。人には食べた味を覚えている食いしん坊、それらを盛っていた器やその場の情景を心にとめている情緒派そして値段にうるさい倹約組など様々である。小生はその中では食いしん坊であるが所謂「美食家」ではない。それは以下の文章を読めばお分かりいただけると思う。

固くてかび臭い布団の中でガタガタ震えながら8畳の部屋に寝ていた光景を思い出すことがある。あれは福岡市立高宮小学校3,4年の頃かもしれない。おそらく今でいうインフルエンザであったようである。いつもは「残飯整理人」といわれていた私が食欲もなく寝込んでいるので、心配したお袋さんが枕元で「何かたべたいものはなかか、食べらんと良くならんよ。何でも買うてやるけん」と言いながら冷たいタオルで額を冷やしてくれていた。この時に決まってねだっていたのがカステラとバナナであった。

その当時はたまにお客さんが来ると、お茶うけに羊羹を出すのが決まりであった。我々兄妹3人は襖の陰からお客さんの様子を覗っていたが、それはお客さんに興味があるのではなく、羊羹を残してくれるかどうかを見張るのが目的であった。お客さんもその気配を感じていて、殆どのお客さんはお茶を飲むが羊羹は残してくれていたものである。カステラに羊羹とくると最中を忘れてはならない。最中はご仏壇のお供え物のとしての印象があるのか、私にはお盆の食べ物という感じがある。皮がサクサクッとしていて、中に甘い練り餡がたっぷり入っているのがなんともいえない。皮が口の中にこびりつくがこれも別段不愉快ではない。却って皮のパリパリとしてさっぱりとした味と次に来る餡子の甘さの対比が好もしさを増す。カステラ、羊羹、最中のこの三つが子供の頃からのご馳走であったし、今も好きな菓子と言われるとこの三つを外すことはできない。

この中でも私にはお袋との思い出があるせいか、カステラについては年々拘りが深くなっている。巷間で有名な長崎○○やら福〇屋なども勿論おいしいが、私は名もない田舎町のカステラに惹かれる。店構えを見ると今はさびれているが過っては盛業であったであろうと思わせる雰囲気があれば最高である。古ぼけた店舗に入ると奥から老婦人が前掛けで手を拭きながら現れ、正面の壁には色褪せた何十年も前に表彰された菓子品評会金賞の額縁が飾ってあるような店が好きである。使い古したショーケースを覗くとカステラは金箔の箱に納まっていて、その他には季節ものの桜餅や柏餅それに昔なじみの和菓子が何種類か置いてあるとさらに嬉しくなる。こういった店のカステラは売れなくても作り続けるといった店主の菓子職人としての矜持を感じるのである。ここの店主が時流に乗れなかったのか乗らなかったのかなどと密かに想像するのも味わい深いものである。

子供の頃にお袋にねだったバナナについても触れてみたい。その頃は高価な果物であり、庶民にとっては滅多に食べることができなかった憧れの果物である。当時住んでいた博多の柳橋市場や中州の繁華街の路上などで「バナナのたたき売り」があると必ず見物していた。法被姿に鉢巻したいなせな兄さんが、バチを叩きながら「門司港に荷揚げされてからのバナナの来歴」を語る口上が始まるとその周りにはたちまちのうちに人の山が出来ていた。聴衆は心得ていてお兄さんが「これほど安くしても買わないのか、しみったれているな、今日の客は」とバチをひと際大きく鳴らし、もう一房か二房をつけて「これでどうだ、もって行け泥棒!」という件になるまで待って、蝦蟇口の蓋を開け始めるのであった。この売り声を聞かなくなって久しいがもう一度聞いてみたいと思っている。いつの間にかバナナは安くなり、コンビニでも手軽に安く買えるようになったがそうなると何となく有難みも減ってきた。味は変わらないのにと不思議なものである。

世間では高価なものを珍重し有難がるが、バナナの例で分かるように高価でなくなると味の価値もなぜか下がるようでその心理を考えると面白いものだと思っている。

この逆の例になるかもしれないがサンマ、アジ、サバ、イワシは安くてとてもおいしい魚である。だが、もしもこれらがほとんど手に入らない魚であったならば、名のある料亭で眼の玉が飛び出るほどの値段で供されることになっているに違いない。そして、さぞかし食通たちが多くの蘊蓄を傾けることであろうと想像している。私はこの大衆魚と言われる魚にもっともっと感謝しなければならないなどと思ってみたくなる。

このように美味しいとかおいしくないとかは、本人の好みであるはずだが、高価であるとか珍しいとかの衣をつけると全く違った世間の評価を得るのはどうしたことであろう。これに個人の思い出なども加わって来ることを考えると味とはまことに複雑かつ不思議なものなのである。 理事長似顔絵

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▶ 理事長 八尋 克三 【胃・腸・膵臓・胆石症】

昭和46年 鹿児島大学医学部卒
日本外科学会指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器外科学会会員
日本肝胆膵外科学会会員
日本臨床外科学会会員

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